山間の荒れ寺に住むM老女。
彼女は、戦前は金沢の中学校で美術の先生をしでいる方の奥さんでした。
戦後食糧難と夫の退職で現在のお寺に住むようになりました。
・・以来30年、ご主人もお寺の住職も亡くなり、老女ひとりが留守番がわりとして寺の一隅に生活しています。
毎年冬になると寺院の老朽化が問題になり、その都度老人ホームへの入所をすすめていますが、老女は頑として首をタテにふらない。
2匹の犬、6匹の猫を飼っているので、それらと別れるのが辛いのか、住みなれた地を去りがたいのか、この話になると固く口をつぐんで返事をしないのです。
せめてデイサービスだけでも利用できればいいのですが・・・・
頭はとてもしっかりしていますが、腰がひどく曲り、住んでいるお寺の中2階の階段を踏みはずして転がりおち、顔中はれあがったこともありました。